See the Elephant

1992生まれのプログラマが書くエンジニアブログ

fetch apiをあらためて

fetch

fetchを雰囲気でしか理解できていないので学んでいこう

mdn fetch概説

fetchはjsのAPIであり,リクエストやレスポンスといったHTTPのパイプラインを構成する要素を操作できるようになる.
またfetch() メソッドを利用することで、非同期のネットワーク通信を簡単にわかりやすく記述できるようになります。

うむ, productionコードでもfetchが登場する. XMLHttpRequestとの違いはなんだろう

XMLHttpRequest

XMLHttpRequest は、クライアントとサーバーの間でデータを伝送するための機能をクライアント側で提供する API です。ページ全体を再読み込みすることなく、URL からデータを読み出す簡単な方法を提供します。この API によって、ユーザの作業を中断させることなく Web ページの一部を更新することができます。 XMLHttpRequest は AJAX プログラミングで多く使用されます。

これはfetchも同じそう. apiのメソッドや, 使われ方見た感じでは xhrオブジェクトを生成して, オブジェクトに値をバインドしていき http reqパラメタを作るような感じになるっぽい.

https://qiita.com/sirone/items/412b2a171dccb11e1bb6

var xhr = new XMLHttpRequest();
xhr.open( 'POST', 'http://{送信先URL}/post.php', false );
// POST 送信の場合は Content-Type は固定.
xhr.setRequestHeader( 'Content-Type', 'application/x-www-form-urlencoded' );
//
xhr.send( 'hoge=piyo&moge=fuga' );

fetch apiを使うことでオブジェクトの定義を行わずにhttp reqが生成できる

var myImage = document.querySelector('img');

fetch('flowers.jpg').then(function(response) {
  return response.blob();
}).then(function(myBlob) {
  var objectURL = URL.createObjectURL(myBlob);
  myImage.src = objectURL;
});

これはネットワークごしに画像を取得して <img> 要素に挿入するスクリプトである. 第一引数は取得したいリソースへのパスであり, 戻り値はResponseオブジェクトを獲得できるプロミスオブジェクトを返す.

fetchで取得したプロミスオブジェクトは function(response) のresponseに渡されてcallback functionで利用できる.

promiseオブジェクトってなんじゃい, ということで調べる.

promise

promiseとは

Promiseは非同期処理の最終的な完了もしくは失敗を表すオブジェクトです。要するに、Promiseはコールバックを関数に渡すかわりにコールバックを付属させるリターンされたオブジェクトです。
// 成功時にsuccessCallback, 失敗時にfailureCallbackが呼ばれる
doSomething().then(successCallback, failureCallback);

promiseを利用することでdoSomethingの処理が終わり, その成功/失敗状態に応じて次に実行するcallback関数を切り替えてくれる.

一般的なニーズとしては、複数の非同期処理を順番に実行し、前の処理の結果を次の処理で使うというものがあります。これはPromiseチェーンを作成することで行えます。

さあ魔法の時間です。 then 関数は元のPromiseとは別の新しいPromiseを返します。
基本的に、それぞれの Promise はチェーン(連鎖)させた別の非同期処理の完了を表します。
Promise は doSomething() の完了を表すだけではなく、渡した successCallback もしくは failureCallback の完了も表し、これらのコールバックはPromiseを返す別の非同期関数であっても構いません。
これまで、複数の非同期処理を順番に実行するには、昔ながらのコールバックの悲運のピラミッドを作る必要がありました。
近代的な関数を使えば、その代わりに戻り値の Promise にコールバックを付加して Promise チェーンとして記述できます。
//従来
doSomething(function(result) {
  doSomethingElse(result, function(newResult) {
    doThirdThing(newResult, function(finalResult) {
      console.log('Got the final result: ' + finalResult);
    }, failureCallback);
  }, failureCallback);
}, failureCallback);

// promise
doSomething().then(function(result) {
  return doSomethingElse(result);
})
.then(function(newResult) { // doSomethingElse(result)の成功時実行結果
  return doThirdThing(newResult);
})
.then(function(finalResult) { // doThirdThing(newResult)の成功時実行結果
  console.log('Got the final result: ' + finalResult);
})
.catch(failureCallback); // promiseが失敗した時の処理

promiseを使うことで非同期処理のチェーンを簡潔に記述できる

fetchのサンプルコードを読んで見る

var myImage = document.querySelector('img');

fetch('flowers.jpg').then(function(response) {
  return response.blob();
}).then(function(myBlob) {
  var objectURL = URL.createObjectURL(myBlob);
  myImage.src = objectURL;
});

ここまで調べて見ると,

  1. fetchメソッドで'flowers.jpg'にxhr get request
  2. responseオブジェクトがpromiseで返却
  3. response.blobでrequestストリーム全文読み込みを行いblobをpromiseで返却
  4. blobからURLを取得し, myImageに設定

promiseとfetchを組み合わせることでxhr requestがかなりいい感じで記述されていることがわかった 今日はここまで

ふりかえり

たまには自分を振り返る時間があってもいい 最近仕事でもやもやすることがおおい. 頭をダンプしてみよう

ここ一年, プログラマをやってみてどうだろう 何もできないと無力感を感じることが多い 自分はチームに不要なのではと思うこともしばしある. これはチームが求めるスピードや周りのエンジニアとの比較によって思う部分が大きい.

とはいえ, 自分が作ったものや自分が考え出したものによって 少なからずお金が生み出されていっているのは尊い事実である. そして何よりも, 昔は自分にはできないと思っていた技術で今は飯を食っていることがなによりも進化である あと, 何も進んでいないわけでもない

自分が本格的に自分の力で技術を学び始めたのはB4の終わりだったと思う http://namu-r21.hatenablog.com/entry/2015/02/18/175958

ブログを見る限りでは3年前の今頃である. この3年を振りかえってみてどうだろうか.

2015年終わりといえば実務訓練が終わって帰ってきた頃合いだろう. そのころになってやっと自分の手でコードを書く楽しみがわかってきた時期だと思う

実務で書いたC++のコードは今考えれば完全にクソだったし ほぼ指導もないままにものとして動くまで作ったのもまあまあできたものだと思う.

実務で得たのは, 自分がコードを早く生み出せない事実と 英語が読めなければ & 自分で調べることができなければ エンジニアとしてものが生み出せない事実である.

今思えば, その気づきやそこから自分で手を動かして学んだことが 今につながってきている

修士は研究はほどほどにネットワーク作ったり, Railsでアプリを書いたりしてた記憶がある それはどれもインターンがきっかけだったように思う

B4実務インターンでは1人進捗が出せず唸って職場で寝たり(これは今思っても最低), M1夏のインターンでは同世代がバリバリweb appを作り(自分はweb初経験), M2冬のインターンでは同級生に助けられてばかりだったり,

インターンでは散々悔しい思いをし, それを糧に技術を勉強してきた webを勉強してアプリを作り始めたのはM1の終わり(多分2016年2月)だからちょうど2年くらいか

そこから大学祭のメンバーと開発したり, 内定者開発やったり... 今は, 2年前の自分なら確実にできていないことができるようになってきている

やっぱりできていないことは多いし, 悔しい思いをすることも多い. でもそれはこれまでのようにできなかった自分を知れただけ.

わからないことは多々あるが日々の中で自分でしっかりと理解, 消化していくことが何よりも大事 毎日少しづつ前に進んでいこう

Doctrine データ永続化のタイミングとUnit of Work

最近は業務でsymfonyを利用している. symfonyが標準で利用するORM Doctrineの永続化周りについて少し学んだのでメモ.

日本語のこの記事が分かりやすかった.

ja.stackoverflow.com

Doctrineのデータ永続化のタイミング

そもそも Doctrineとは

いわゆる ORM.

詳しくはこちら :
Home — Doctrine Project

Doctrineを利用することで, DBのTableとSymfonyのEntity間でデータのマッピングを行うことができる. SymfonyのEntityに @ORM\ Annotationでデータマッピング設定を書くことでDoctrineがマッピングを行ってくれる. 素敵.


Entity Managerのお仕事

詳しくはこちら :
Databases and the Doctrine ORM (current)

DoctrineではEntity Managerと呼ばれるマネージャで, objectの状態管理を行う. ここでのobjectはDBの1レコードを表しているという理解. DoctrineからDBに対する操作を行う際, 必ずこのマネージャにobjectを登録する必要がある.

Entity Managerへの登録操作が persist($obj) メソッド. persist(永続化)と行っておきながらこの時, DBに対するsqlは発行されない.

実際のDBへのSQL発行(永続化)は flush() メソッドによって行われる. このメソッドが呼ばれた時に, 実際のクエリが発行される.

7. Working with Objects — Doctrine 2 ORM 2 documentation

7.3 Persisting entities

Invoking the persist method on an entity does NOT cause an immediate SQL INSERT to be issued on the database.
Doctrine applies a strategy called “transactional write-behind”, which means that it will delay most SQL commands until EntityManager#flush() is invoked which will then issue all necessary SQL statements to synchronize your objects with the database in the most efficient way and a single, short transaction, taking care of maintaining referential integrity.

An entity can be made persistent by passing it to the EntityManager#persist($entity) method. 
By applying the persist operation on some entity, that entity becomes MANAGED, which means that its persistence is from now on managed by an EntityManager. 
As a result the persistent state of such an entity will subsequently be properly synchronized with the database when EntityManager#flush() is invoked.

Unit of Workのライフサイクル

DoctrineではUnit Of Workという考え方を利用している.

http://docs.doctrine-project.org/projects/doctrine-orm/en/latest/reference/working-with-objects.html#working-with-objects

これは, objectレベルのトランザクションのようなもの, と表現されている.

自分の中では, Entityに対する一連の変更を Unit of Workという単位で保持しておき, commit時に実際にDBに適応する, という理解.

Unit of Work は, EntityManagerが初期作成された時, もしくは flush()が実行された時に生成される.

flush() が実行された時にDBに対する反映が行われる. flush()が呼び出されない限りは, persistremove(objectの削除)といったUnit of Workに記録されたEntityに関する操作はDBに反映されない.

flush()されずに, close()や新たなEntityManagerが生成された場合はUnit of Workに記録された一連の変更を破棄する.

ちょっとかしこくなった

mac sierra, tmux で '~/.tmux/plugins/tpm/tpm' returned 127 (pluginがうまく動かない)

tmuxのpluginがうまく動かない

これを動かしたかった.

tech.quartetcom.co.jp

僕の.tmux.conf はこんなの

一部抜粋

# tmuxのセッションを保存する
# prefix C-s : セッション保存
# prefix C-r : セッション復元
# see : http://tech.quartetcom.co.jp/2016/01/15/tmux-continuum/
set -g @tpm_plugins 'tmux-plugins/tpm'
set -g @tpm_plugins 'tmux-plugins/tmux-resurrect'
set -g @tpm_plugins 'tmux-plugins/tmux-sensible'

# resurrect
set -g @resurrect-strategy-vim 'session'
set -g @resurrect-processes 'irb pry "~rails server" "~rails console" mysql ssh php'

# continuum
set -g @continuum-restore 'on'

# tmux内でopenコマンドが使えるようにする
# これをやらないとうまく動かない
# brew install reattach-to-user-namespace

set -g default-command "reattach-to-user-namespace -l ${SHELL}"

run-shell '~/.tmux/plugins/tpm/tpm'

<prefix>r でconfファイルをリロードすると以下のエラーが出る

'~/.tmux/plugins/tpm/tpm' returned 127

本家のissue を見るとどうやら ElCapitanあたりで行われたpermission変更の影響を受けているらしい.

I get error 127 when trying to install. · Issue #67 · tmux-plugins/tpm · GitHub

このコメントによると

I get error 127 when trying to install. · Issue #67 · tmux-plugins/tpm · GitHub

システムのプロテクション切ると使えるとのこと. これは辛いのでやめておこう.

入社2ヶ月の新卒Webプログラマが感じた既存コードとの向き合い方 ~うんこの上のうんこを作るべからず~

TL:DR

  • 既存コードはどんなコードでも尊さがある
  • 影響範囲と変更しづらさ
  • 無知な共通化は怖い
  • 現状のコードはBetterでありBestではない

弊社のシステム概要

僕が在籍している会社は2011年に設立しており, その頃に作られたシステムを現在も運用している.
そのため, 既存システムは5~6年間ほど実運用されてきた歴史がある.

ここ2週の僕の働き

ここ2週は, 1つの追加機能をしていた.
そして, リードエンジニアについてもらい3回設計をやり直した.
結果として僕が考えたコード(200行位)が, 最終的には1つの関数になった. その理由は, 既存コードの中に"追加機能に必要なロジックを持つ関数"が揃っていたからである.

そこで, 学んだこと, 感じたことを忘れないよう, 思い出せるようこのエントリに書いていく.

僕の失敗

僕は既存コードの把握が甘く, 自分自身で既存機能を再度開発していた.
加えて, 仕事の範囲とは異なる似た機能を持つ部分に手を出し同じロジックを見るように共通化をしていた.

既存コードとの向き合い方

僕が感じた既存コードが持つ特徴 f:id:namu_r21:20170619000640j:plain

既存コードはどんなコードでも尊さがある

既存のコードは"既に動いている"という点で実績を持っている.
それは"現時点で問題なく動作するもの"と評価を受けていることを意味している.

リファクタリングの際に注意すべきこと | プログラマが知るべき97のこと (以下きのこ本)を引用する.

既存のコードを出来る限り活かすべきです. 
いかに醜悪なコードであっても, そのコードはテストやレビューを通っているものなのです.  
既存のコードを-特に既にリリースされたシステムのコード-をすべて破棄するというのは  
それまでの数ヶ月(何年)という時間を捨ててしまうということを意味します.  
(中略)
仮にコードを新たにゼロから書き直したとすると(中略), 過去の作業で得た知識も無駄になってしまいます.  

自分が1文字でも変えてしまった時点でそのコードは"動作が未知"であるものに変わってしまう. 元のコードにテストコードがない場合は悲惨で, 本当に動作が担保されない"何か"を生み出すことになる.

自分の場合, 既存コードに存在しているロジックを再度自身の手で再開発していた.
既存コードの把握が甘かったという背景はあれど, 非常に無駄な時間を過ごした.

また, あまり良くないと感じた既存コードのロジックを変え, 自分なりの変更を加えていた.
これはまさに,きのこ本の個人の好みやエゴを入れてはいけませんに反していた.

この手の変更は, 動作を未知にしているだけで殆どの場合は悪影響しか及ぼさない.
できるだけ仕事と関係ないコードには手を入れない, ということが現時点の技術力では大切だと感じた.

影響範囲と変更しづらさ

変更箇所のコードがどの程度の影響範囲を持つのかを気にすることはとても大切である.

例えば…

関数のインタフェースが変わる => 関数を利用している全ての呼び出し元に修正が必要
引数の型が変わる =>  呼び出し元や関数内部の処理に修正が必要
関数内部の処理を変える => 意図しない挙動を生み出す  
変数名を変える => タイポや修正忘れによるバグが生まれる(controller -> viewへの変数渡しで起きがち)  
関数を消す => どこかで機能そのものを失う可能性がある

このように既に動いているものに対する変更は思いもよらぬ変更範囲を伴う.
変更範囲の大きいコードは, “変更しづらい"コードである.

特に"インタフェースの変更"や"関数の削除"はとても影響範囲が広い. 途端にバグを広めることになるため, 変更部分がどれだけの範囲で影響をおよぼすのか把握することは大切である.
これの対策として, リファクタリング前に対象関数のテストを書くことでプログラムの挙動を担保することができる.

外部委託でいらっしゃっている@t_wadaさんとペアプロさせていただいたときにおっしゃっていた言葉を引用する.
(思い出しながら書いているので表現は本人の意図とずれているかもしれません. あくまでも僕の解釈です)

自分が既存関数を変更するときは変更前に必ずテストを書く.  
そうすると関数の挙動が担保できる.  
そして, 変更前にどの程度この関数が"有名人"なのかを調べる.  
あまりにも多い場所で利用されているようであればできるだけ変更は加えたくない.  
あまり有名人でない, または全然無名なときは変えてしまってもいい.  
ただし動作は変わらないようにしたい.  

テストファーストでなくてもいいのでできるだけテストは書いた方がいいしリファクタリングの際はテストが必要ですという言葉は今後のプログラマ人生の中でずっと活かしていきたいと思う.

無知な共通化は怖い

上記したように, 今回の仕事で仕事の範囲とは異なる似た機能を持つ部分に手を出し同じロジックを見るように共通化を行っていた.

似たようなロジックの共通化は慎重に行うべきである, と指摘を受けた.
それは, 使用される場面や背景が異なるほど慎重にやらなければいけない.

例えば, controllerとbatch処理を行うコマンドで呼び出されるロジックを共通化したとしよう.

これを行うと, その時点で"たまたま似ている"コードかもしれないのに, 共通化することで依存を生むことになる. どちらかの背景や使われ方を反映させると, どちらかも引きづられるように変更が必要になる.

つまり, “変更しづらい & 変更に弱いコード"を生んでしまい後の運用に手間がかかるようになる. このため, 背景の異なる共通化は慎重に行わなければならない.

共有は慎重に | プログラマが知るべき97のこと

現状のコードはBetterでありBestではない

こちらに関しては, エンジニアの先輩方の言葉を借りる.

既存コードは, "作られた時点でとり得る時間, 状態, 事業内容における最適解"でしかない.  
それが"現状の最適解"とは限らない. だけど僕たちはそれを使って物を作っていかなければならない.  

例えば, 今あるコードがクソコードだったとして, うんこの上にうんこを乗せてもそれはうんこにしかならない.  
だから今の状況に合うように少しずつ変えていかなければならないし, 
同じようにクソを生み出してはいけない. 今あるコードが"理想的"であると思ってはいけないよ. 

あとは, 自分が書いたコードも書いた瞬間から陳腐化が始まることはしっていなきゃいけない.  
どのコードも'road of the うんこ' だって知りながら書くのも1つ意識を置かなければいけない, 

酒の席で聞いた話も混じっているのでご了承ください…mm

実際, 新卒の僕ですら驚いて声が出るようなコードがあったりする.
直そうとすると影響範囲が広く結構大変な上に, テストも無かったりする.

既存のシステムはきっとそういう"過去"を持つものだし, それをあるべき姿にしていくことも自分の仕事なんだろうと考えている.

まとめ

  • 既存コードはどんなコードでも尊さがある
  • 影響範囲と変更しづらさ
  • 無知な共通化は怖い
  • 現状のコードはBetterでありBestではない

といくつも書いてきたがきっとまた同じように間違えるのだろうな, と予感している.
ここ2週間でいかに設計が難しいか, いかに物を作らずに問題を解決するかが 容易でないかを知れた気がするし, まだまだ能力として身についていないと思う.

ではどのように自分は進んでいけばいいのだろうか.
ここについては先輩の言葉をお借りしてしめたい.

迷ったときは, 聞けばいい. できるだけ早く.  
だけど, ただ聞いただけでは自分のものにならない. 
できるだけ自分で考えてみる. 設計を自分で紙でもテストでも書いてみる.  
そして, 聞いた時の意見と自分の意見の差分を見てみる.  

それを繰り返していけば自分の中に落とし込んでいける. 

この2週間はまさにそれを経験させていただいた日々だったと思う.
忘れずに今週も頑張ろう.

t_wadaさんから講演を受けた "新卒に向けたエンジニアの生存戦略"

新卒に向けたエンジニアの生存戦略

TL;DR

プログラマとして生き続けていくということは学び続ける姿勢が必要
自分の学び方をカスタマイズして学び方をハックしていく

このエントリを書くに至った理由

弊社で@t_wadaさんが"新卒エンジニアに向けた生存戦略"と題して講演会を行っていただいた. (@t_wadaさんは弊社の技術アドバイザーとして出社している)
https://twitter.com/t_wada

t_wadaさんの遍歴

大学在学中から設定とプログラミングのアルバイトを始める
卒業後プログラマとしてキャリアを開始
電子政府住基ネットのサブプロジェクトでリードエンジニア
色々あって流しのペアプロ業をやる
プログラマが知るべき97のこと」, 「SQLアンチパターン」の監訳者

はじめに

プログラマが知るべき97のこと, 達人プログラマを背骨にして話していく

一番伝えたいこと : 学び続ける姿勢

  • 常にあなたの知識ポートフォリオに投資すること
  • 技術を学ぶのではなく、技術の学び方を学ぶ
  • 歳をとるとやることが多くなっていくので、技術を早く学ぶ技術が必要になってくる

1. 四半期ごとに技術書を読むこと

  • はじめのうちは簡単に思える
  • 読むべき本は最初のうちはいっぱいあるように感じる
    • 段々と同じような内容の本になり読む本を選ぶことが難しくなっていく
  • 最初の1,2冊はオススメされた本を読む
  • 次はその本が参考にした書籍を読む

学びの仕組み

  • 感覚記憶 0.5~2.0sec
  • 短期記憶 15~30sec
  • 長期記憶 死ぬまで? storeされているが到達できないのでないと同等になる

脳内インデックスを作る(長期記憶に紐づけるために)

  • なんども引き出すこと
  • 他のものとくっつける(連想記憶)

例えば読んだ本を時系列に並べて考えてみる

  • リファクタリング, TDD, migrationという変遷を経てrailsが登場した

    • リファクタリングの概念を元にTDDという思想が生まれた
    • DBの管理をmigrationというバージョン管理のような仕組みで行う考え方が生まれた
    • それらを実際に実装したWeb FWがRuby on Rails
  • 何らかの技術を説明する際に, その技術が元にしている書籍がある.

  • 時系列に並べる, 読むことで, 技術の流れや成り立ちが体系的に理解出来る
  • 時系列に並べる, 読むことで, 「この本が発刊された時点で今考えられている〇〇という思想, 技術は知る由がない」ということがわかる.
  • そうすると本が出版された時点では存在しない概念を差っ引いて考えることができる

2.手を動かしてやってみる

  • “やる-> できる -> 好きになる"のサイクルを生み出してく
  • 上達の鍵はとにかくまず始める

デールの円錐 http://www.hi-ho.ne.jp/tgoto/medic3/cone%20of%20learning.jpg

発話して手で実際にやる, と9割を記憶できる 写経 : 技術書に書いてあるサンプルコードを写して実行する

  • 写経はかなり深い本の読み方
  • 実際に試しながら読むことで身につく

3. 毎年少なくとも1つの言語を学習する

  • はじめは仕事に必要な技術,言語の勉強
  • オブジェクト志向言語のみを扱っているならば関数型を
  • 動的型付きのみを扱っているならば静的型付き言語を

というふうに慣れているパラダイムと異なるパラダイムを触って見る.
こうすることで自分のポートフォリオを広くしていくことが出来る

技術者と英語について

"英語ができるようになるというのは、「大きな図書館の鍵」を渡されるようなものです。1人ひとりの人生にいろんな可能性を与えてくれます” 高松珠子 kwsk : http://lite.blogos.com/article/85541/

プログラマとして生きていくためには少なくともあと数年は英語に触れると諦めること

4. 身の回りをプログラミング対象にする

  • 段々と勉強する, プログラミングの対象とするものが減っていく
  • 子供が生まれてからwebカムと携帯を使った遠隔カメラソフトを作っている

そこでプログラマらしく本を書いた(プログラマが知るべき97のこと)

  • 怠惰、傲慢、短気を美徳とする
  • プレーンテキストを好む
  • すべてをバージョン管理する
  • すべてを自動化する
  • 変化を抱擁する
  • 原稿はmarkdown形式
    • 当時はあまりやられていなかった
  • 原文はスクレイピングして取得
    • 書籍界はpdfから原文をコピーすることが多い
    • 制御文字や欠損が多いので不便
    • 原文がwebに公開されているため
  • git を使いバージョン管理
  • 編集者とのやり取りは全て自作サイト上で管理
  • herokuにpushしてサイトに反映
  • 監修差分はdocdiffで表示

結果として手戻りがとても減った

5. アウトプットを行う

量は質に転化する

ある有名な論文を紹介していた.

 * 陶芸クラスの評価を2つ用意.  
 * 質のみで評価する/量のみで評価するグループを作った
 * 結果, 量が多いグループから質が良いものが生み出されていた
 * アウトプットの量を行うことでフィードバックサイクルを早くする
 * 結果として量が質に転化する

量をこなしている人の方が, 一世一代で1つを生み出す人よりも良いものが出せる

アウトプットのチャネル

twitter, blog, 雑誌記事, 書籍, 講演, ライブコーディング, github

blogを書くことがプログラマとしての基本姿勢になる ストック型なので蓄積されていく

新人のよくある質問

Q: 先人が書いているのに僕が書く必要があるのか "情報発信、blog, 発表, 公開などは, 数学の未解決問題の証明ではなく料理のようなものである"

A: 5年前の著名なブログエントリよりも昨日書かれたブログエントリの方が信頼性が高い, と判断される場合もたかい(いつ動いたのかという状態のエントリも価値がある)

紙媒体 執筆する まずは雑誌から初めて見る

何らかの文章のアウトプット(ブログ, 講演)を見て編集者がアクセスしてくる そして, 執筆依頼が来る

雑誌と書籍は全然違う 雑誌は短距離走. 書籍はマラソンなのでモチベーション, タイムマネジメントが必要になって来る

現役プログラマでいるために

1. 生活習慣を変える

あの Jon Resig(jQuery作者)でもうまくいかないこと

週末に自分のプロダクト開発を頑張ろうとしたが失敗 平時と同じ馬力で書けない

  1. 毎日コードを書くこと
  2. 意味のあるコードを書くこと(リファクタリングもカウントしない)
  3. 深夜24時前に終わらせること
  4. 書いたコードをgithubで全てOSSにすること

起こった変化

  • 必要最小限のコードへの集中
  • 30分~1時間で意味のあるコードをかくことが強いられる
  • プログラミングの習慣化
  • githubに草を生やすのが目的ではない. 自分で自分のために生活習慣を帰る
  • 不安との戦い
  • 進んでいる感覚がプロダクトの進捗と同等に大切だと知った

  • 週末の過ごし方

  • 週末はそれほど重要でなくなりリアルライフを充実できるようになった バックグラウンド処理 散歩中やシャワー中に常にコードのことを考えるようになった

  • ワークライフバランス 仕事/生活/自分のプロジェクトのバランスの取り方がわかったのが最大の収穫だった

  • まわりからの理解 毎日コードを書くという習慣を公言したことでパートナーからの理解も得られるようになった

  • どれだけコードを書いたか この習慣を続けると書くコードやアウトプットは自分でも覚えられないくらい生まれる

t_wadaさんが上に追加して行っていること

住む場所を工夫する

  • 始発駅の近くにする
  • 通勤時間は累積で考えると膨大な時間になる

意図的にオフラインの環境を作る -> 捗る

2. 年下から学ぶ

一生プログラマーでいられるかどうかは言い換えれば年下から学べるか否か 年関係なく若い人たちと競える場にいく

できる->好きになる(好きすぎる世界から逃れられない)というサイクルは過剰適用とタコツボ化を生み出す. ベテランはやってきたこと/得意なことにとらわれてロックインされてしまうことがある

タコツボ化の対策として….

ベンチマークとアンラーニング

  • 定期的に自分のスキルを棚卸する
  • 積極的に外部に出て自分のスキルを相対化する
  • 使う道具を定期的に帰る
  • 道のコミュニティに参加する
  • 若者から学ぶ
  • 若者と同じ土俵で戦う

10年前に戦えていた道具が今も使えるとは言えない 意識的に使わないようにしていく

過去から未来を知る

技術は「振り子」と言われるが「螺旋」に似た構造.
同じようなパラダイムが繰り返されている.
10,15年の歴史を伴って同じようなパラダイムが改善されていっている

  • 同じように見えて実はメリットが増えている
  • 同じものとして「わしらもそれで失敗した」と言い始めると老害

ベテランはこの周期を知っている. これが 若手との絶対的な違い

ベテランは前の技術との差分を見ることで限界(未来)を見据えることができる

エンジニアとして価値を下げないために

T字型のスキルではなく複数の柱を作る

  • 他の人に負けないスキルを持つ(尖った技術)
    • これはキャリアの初期には大切なこと
  • 20年くらいやっていると地殻変動が起きる
    • そもそも無意味になってしまうことがある
    • 技術的な柱を持つにも, 枯れ具合が違ったものを持っておく

人の作る渦を見る

githubによってソフト開発は組織->個人へ 個が多く集まると何かが起こる - 大量のゴミを集めることで中から金が見つかることもある

ロードマップ志向からエコシステム志向へ

  • これまでは大きいベンダが技術の道筋を立てていた
  • appleがやってるのは明らかにロードマップ志向プラットフォーム(これは社員の呟き

今の技術の世界は「エコシステム」の時代 熱帯雨林のように食い合いつつ矯正し合う様々なタイプのプレイヤーが自分のためだけの個別の意思決定をしてその相互作用で技術が発展していく

エコシステムの中心部がレッドオーシャンで周辺ぶんんい生き残りが容易なブルーオーシャンがある

普通の人は,ロードマップでは真ん中, エコシステムの中では真ん中で避けるべき

まとめ

プログラマとして生き続けていくということは学び続ける姿勢が必要 自分の学び方をカスタマイズして学び方をハックしていく

誇りあるプロになってください