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読んでよかった本 Best 3 2016年 一般書編

はじめに

年末となったので, 今年の振り返りをやってみよう.
今年 2016年は僕にとって, とても変化と刺激ある年だった.

そんな1年の中でも, 僕の考え方に影響を与えた本が3冊有ったので紹介していこう.

Best 3 人生がときめく片付けの魔法 / 近藤麻理恵

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

この本は, 掃除のHow to ばかりでなく, 物との向き合い方を教えてくれた本であった.

この本が僕に伝えてくれたことは「捨てることの大切さ」である.

この本は一貫して「好きなものに囲まれて生きていく素晴らしさ」を説いてくれる.

“好きな物に囲まれて生きていく”ということは“好きでないもの”を徹底的に生活から排除することを意味する.

http://gahag.net/img/201608/24s/gahag-0118652126-1.png

この本の大まかな要旨はこうだ

  1. 「捨てること」が最初の一歩
  2. 捨てるものの判断は「それを好きかどうか」を直感で判断していく.
  3. 手元に残った数少ない「好きなもの」に囲まれて生活をしていく.

もし, 誤って「必要だったもの」を捨ててしまった時, その時は「好きだと思うもの」を購入する.

そうやって物の循環を起こすことで, 生活に新陳代謝が起きる.

http://yajidesign.com/i/0096/tnm.png

実際に実践してみると, 所持物の約8割程度の物が廃棄された(60Lゴミ袋*15, 廃品回収2回).
そして, 意外と生活には全く困らないものであった.

好きでないものを無理に続けていくとどこかで自分が腐っていくような感覚に陥る時がある.

そんなときは思い切って捨ててみる. そして, 何かを新しいことを始める.

そのせいか, 新しい趣味や友人, 生活習慣が増えた. 大切なことに気づかせてくれた1冊であった.


Best 2 こころ / 夏目漱石

この本は青空文庫で無料で読めるので是非. http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/773_14560.html

ストーリーとはほとんど関係ないある一節が僕にとってかなり印象的であった.

それは, 大学生である主人公の「僕」が大学を卒業し, 病を患う父と雑談をしている場面である.

一部を抜粋する.

私は寝ながら自分の過去を顧みた。また自分の未来を想像した。
するとその間に立って一区切りを付けているこの卒業証書なるものが、意味のあるような、また意味のないような変な紙に思われた。
(中略)
学校を卒業するのを普通の人間として当然のように考えていた私は、それを予期以上に喜んでくれる父の前に恐縮した。
「卒業ができてまあ結構だ」父はこの言葉を何遍も繰り返した。
(中略)
私はしまいに父の無知から出る田舎臭いところに不快を感じ出した。
「大学ぐらい卒業したって、それほど結構でもありません。卒業するものは毎年何百人だってあります」
私はついにこんな口の利きようをした。すると父が変な顔をした。

「何も卒業したから結構とばかりいうんじゃない。
そりゃ卒業は結構に違いないが、おれのいうのはもう少し意味があるんだ。
それがお前に解っていてくれさえすれば、……」
私は父からその後を聞こうとした。
父は話したくなさそうであったが、とうとうこういった。

「つまり、おれが結構という事になるのさ。おれはお前の知ってる通りの病気だろう。
去年の冬お前に会った時、ことによるともう三月か四月ぐらいなものだろうと思っていたのさ。
それがどういう仕合せか、今日までこうしている。起居に不自由なくこうしている。

そこへお前が卒業してくれた。だから嬉しいのさ。
せっかく丹精した息子が、自分のいなくなった後で卒業してくれるよりも、丈夫なうちに学校を出てくれる方が親の身になれば嬉しいだろうじゃないか。

大きな考えをもっているお前から見たら、高が大学を卒業したぐらいで、結構だ結構だといわれるのは余り面白くもないだろう。
しかしおれの方から見てご覧、立場が少し違っているよ。
つまり卒業はお前に取ってより、このおれに取って結構なんだ。解ったかい」
 
 私は一言もなかった。詫まる以上に恐縮して俯向いていた。
父は平気なうちに自分の死を覚悟していたものとみえる。
しかも私の卒業する前に死ぬだろうと思い定めていたとみえる。
その卒業が父の心にどのくらい響くかも考えずにいた私は全く愚かものであった。

この1節は, 修士2年となり, おそらくは自身の最後の学校生活を過ごしている自分にとってはとても感慨深いものであった.

今の自分は決して1人では生きていない, 自身は親が有り, その他の支えてくれる人がいるから成り立っている.
そしてそれらは有限である, と気づかせてくれた.

「卒業証書」はその方々の努力の証明, 普段目に見えないその存在の化身として表現されていてとても印象的であった.

http://free-illustrations-ls01.gatag.net/images/sgi01a201403101000.jpg

「親孝行ってなんだろう, って考える. それを考えること自体が親孝行なのかも知れない」と松本人志はチキンライスの歌詞に綴っている.

これから社会人になり, 自身の足で立っていく自分はどのように親にこの恩を返していこうかなぁ….と思い馳せている


Best 1 真理のことば / 佐々木閑

NHK「100分 de 名著」ブックス ブッダ 真理のことば (NHK「100分de名著」ブックス)

NHK「100分 de 名著」ブックス ブッダ 真理のことば (NHK「100分de名著」ブックス)

この本は仏教の祖ゴウダマ・シッダッタ(いわゆるブッダ)の言葉を現代語訳した本である.

なかでも, 諸行無常この言葉がとても僕に影響を与えた.

ブッダはある日「死ぬために生きている」ことに気づいてしまう.

すると, 死に達するまで何度も繰り返される生はそれ自体が”苦しみ”であることに気づいてしまう.

http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-73-29/sirokuma6102000/folder/643879/36/53964636/img_0

そして, この苦しみから逃れる方法を探すために修行を始める.

その過程で, 世の中の全てのもの(諸行)は常に変化し安定していないこと(無常)を知る.

移りゆく世の中で物事に固執すること, 何かを求めること, これが恨みや妬みになりそれは苦しみを生む.

今の自分が明日以降も同じように続くとも限らない. この先, 迫りくる苦しみや悲しみに自身を曲げないように「自身を鍛え続ける」こと.

それが唯一苦しみから逃れるための手段である.

これが有名な諸行無常であり仏教の最も主軸となる教えである.

当たり前のことであるが, これを日常の中で意識している人は多くないと思う.

物事や世界が「常に変化し続けること」の事実と, それに対応するために物事に固執せず「変化」が自身に求められていることを知るキッカケになった.

目指す物に向かって, 無心で取り組むこと, 自身の成長に繋がりそうな局面にチャレンジすることの大切さを教えてくれた良い本であった.


まとめ

2016年に読んだ本で印象的であった本について書き綴った.

こうして, 不定期でもブログを書いたり, 与えていただいた機会に尻軽にノッて行くことで去年の今頃の自分とは違った味が持てたのではないかなぁ, と感じている.

そして, それは僕に興味を持って頂き, 機会を与えていただいた方々のおかげであったととても強く感じている.

直近では, 偶然はてなブックマークに取り上げていただいたり, ブログやGithub経由であるWebサービスの会社から面談のお話を頂いて少々お話をしてきた.

僕のように何もできない学生でも, 情報発信さえしていれば興味を持っていただけることがある. 何でも挑戦してみるもんだなぁ.

来年は, “自分”に固執せず, 好きだと思うことを思いっきりやる, そして, 自分自身の変化を楽しむことが目標である.

それでは.